妊娠したかも
妊娠したかも、と思ったら
妊娠したかも、と思ったとき、あなたならどうしますか?
どうしたらいいか分からない、産むか産まないかを決められない、そもそも本当に妊娠しているのだろうか――
人それぞれ、違った形ではありますが、あまりにも突然に、大きな不安や色々な心配に襲われることになります。
不安に思っているだけ、心配しているだけでは、前に進むことはできません。
まずは、薬局にいって妊娠反応検査を購入して、陽性になるかどうか確認しましょう。
妊娠反応が陽性の場合には、妊娠をしている可能性があります。
ただ、妊娠何週かはわかりません。
超音波で検査してもまだ確認できない初期の妊娠の場合もあれば、妊娠10から20週台になっていることもあります。つわりが無いから、お腹があまり大きくなって無いから胎動がないから、といって妊娠の初期であると判断は出来ません。
そんなときは、当院に受診し、ご相談ください。診察を行い、妊娠の状態を確認いたします。正しい情報とアドバイスをさせて頂き、今後の方針を決定するお手伝いをさせて頂きます。出産とは、中絶手術とはどういうものか、中絶手術を受けるなら何をするべきか、誰の同意書が必要なのか、それらをいつまでに行わなければならないのか、といったことをお伝えすることができます。
出産するのか、中絶するのか。これから自分自身の人生をどうするのか。
この大事な事柄を決定する訳ですから、まずは正しい情報を得て、それから今後どう行動するかを決めていきましょう。
外来時間中に説明が十分できない方やアドバイスが必要な方、未成年者の場合、パートナーや家族への説明や相談については、時間を決めさせて頂きます。(外来時間外や夜間に対応可能な場合もあり)
11週6日目までは初期中絶、それ以降は中期中絶となり、心身の負担が倍増します
妊娠の週数は、最後に迎えた月経の初日を0日目として数えます。よって、生理周期が28日の場合、次の生理予定日の1週間後(妊娠検査薬が使えるようになる日)には、もう妊娠5週目ということになります。
中絶手術は、その行われる時期により「初期中絶」と「中期中絶」に分けられます。「初期中絶」は妊娠11週6日目までの中絶を指し、それ以降、つまり12週1日目から21週6日目までの中絶を「中期中絶」と呼びます。
中絶手術を行う場合、妊娠週が進むにつれて、心身のダメージと経済的ご負担が大きくなっていきます。
少しでも中絶を検討しているなら、早めに産婦人科へ
妊娠反応が出ていなくても、相談することもできます。
市販の妊娠検査薬を使える時期(月経予定日の1週間後以降)まで、不安を抱えたままじっと待っているしかないのかと言えば、そんなことはありません。妊娠したかもしれないので話をしたいという方もおられます。特に、妊娠の経験の無い方、未成年の方、大きな不安を考えておる方は医師が適切なアドバイス(この日に検査をして、妊娠していたらこうしましょう、といったこと)をしていくうちに、落ち着きを取り戻されます。
妊娠反応薬が陽性のかたは、できるだけ速やかに受診をしてください。
中絶ができる期間は決まっています。妊娠22週を越えた場合には中絶が出来なくなります。
中絶を選ぶのであれば、妊娠初期が負担が少ないのです。
妊娠が進むに従い、中絶を行った時の身体的、精神的、経済的に負担が増加していきます。
受診したその日に中絶ができる訳ではありません。大至急でも数日以内、休診時、時間外の手術は出来ません。まずは受診して妊娠を確認してから、相談する時間、決断する時間、同意書を作成する時間、お金を用意する時間が必要になります。
まずは、出来るだけ早く、先延ばしにせず受診をしてください。
妊娠の初期症状
妊娠の初期症状は、妊娠5~6週目前後(生理予定日から1~2週間後)に現れるとされていますが、生理期間中に気づかれる方もいらっしゃいます。また、初期症状がなかった、という方もいらっしゃいます。
主な初期症状は、以下のようなものです。
- つわり
- 着床出血
- おりものの増加
- 基礎体温が高い(高温期)日が続く
- 怠い、熱っぽいだるい、熱っぽい(風邪のような症状)
- 強い眠気に襲われる
- 乳房の張り
- 乳首が黒ずむ、痛い、痒い
- 腹痛、便秘
- 腰痛、頭痛
- 貧血
- 肌荒れ
- イライラ
妊娠検査薬について
妊娠検査薬の使用のタイミング
妊娠しているかどうかを簡易的に検査できる「妊娠検査薬」は、ドラッグストア、薬局、コンビニなどで誰でも購入することができます。
妊娠検査薬は、その使うタイミングが大切です。「妊娠したかも」と焦ってしまい、生理予定日の1週間後以前に使ってしまうケースが目立ちます。実際は妊娠しているのに「陰性」と勘違いし、飲酒・喫煙・薬の服用などを行うことで、産む/産まない以前に、胎児に悪影響を与えてしまうことがあります。
妊娠検査薬は、生理開始予定日から1週間が経過しなければ、正しい結果が得られません。
妊娠反応結果が陰性でも、2週間後に妊娠反応が陽性になることはあります。
妊娠反応結果が陰性とは、現在、妊娠していない事を示しています。そのため、その後に排卵、受精し、妊娠することがあります。月経が来ない患者様や心配の患者様、出血が継続したり、高温期が継続、妊娠している症状の方は、当院までご相談ください。
妊娠検査薬で陰性でも、念のため産婦人科を受診すべき?
妊娠検査薬は、「生理予定日から1週間が経過してから」「検査薬に十分な量の尿がかかっていれば」97%前後の確率で、正しい結果が得られます。
落ち着いて正しく使用し、陰性であったのなら、産婦人科に相談する必要は特にありません。その上で、妊娠を希望していない、今妊娠すると困る、という状況であるならば、性行為に対する考え方や避妊の方法を、パートナーと改めて話し合い、望まない妊娠が起こらないように努めましょう。
ただし、妊娠検査薬で陰性であったにも関わらず、つわりの症状が現れたり、おりものの色や状態に違いを感じたときには、産婦人科を受診してください。子宮内で、何らかの異常が起きている可能性があります。
未成年者の中絶
親に内緒で中絶することはできますか?
未成年の場合、万が一術後に問題が起きた場合に備え、保護者の同意書がなければ手術を行うことができません。中絶が心身に与えるダメージは決して小さくありません。手術前から手術後まで、保護者様のサポートが欠かせません。勇気がいることですが、ご自身の身体で起きていることにきちんと向き合い、どのようにすべきかを一緒に話し合いましょう。
保護者同伴で受診することをおすすめしますが、まずは1人で受診して頂いてもかまいませんので、早めに受診してください。
病院に行ったら「未成年なので親の同意書が必要」と言われました…。
はい、その通りです。未成年の方が中絶手術を受ける場合、保護者の署名が必要です。パートナーが未成年であれば、そちらの保護者にも同意書に署名してもらわなければなりません。
本人およびパートナーが未成年の場合は、保護者の同意書が必要になります。可能な場合は、ご家族の方と一緒にご来院ください。
パートナーが同意してくれない場合はどうすればいいですか?
基本的には、手術は可能ですが、いろいろなケースがありますので、まずはご相談ください。
一人で悩まず、まず相談を
妊娠は、たとえ望んだ末のものであっても、不安がついてまわります。特に初めて妊娠された方は、ちゃんと育ってくれるのか、健康に生まれてくれるのか、そしてその先の育児にまで、希望と共に、不安を抱きます。
妊娠が望まないものであったとき、不安はさらに大きくなります。中絶をするということは、少なからず心身に影響を及ぼします。また、ご家族を含め、周りにどのように思われるか、という社会的事情についても考えてしまいます。
当院には、悩まれた末にご出産された方、中絶手術を受けられた方が、これまで多くいらっしゃいました。お一人お一人が異なったお悩みを抱えながらも、最後には皆様が、ご自身で決断されました。そういった方々を見てきた者として、また医療に従事する者として、産んでください、中絶してください、とどちらかに促すようなことは言えません。
ただ、ご相談くださった方々が決断されるまでの道標をご提示することはできます。こういった方法があります、この方法にはこういったリスクがあります、といったことをありのままにお伝えし、ご相談くださった方が、ご自身の力で判断するサポートをさせていただきます。
一人きりで、二人きりで考えることは大切なことでもありますが、右も左も分からずに悩み続けるのは、心にとっても、身体にとっても良くありません。私たちは、皆様が当院で正しい知識を得て、落ち着いた状態で、ご自身とパートナーにとっての正しい選択ができることを切に願っております。
どのようなお悩みでも、当院にご相談ください。